JAVA class1-9

１学期第9週

テーマ：データ型と演算子

（96.10.30：更新）

今週は、Javaプログラムのデータ型や演算子を勉強しましょう。

型

Java言語で扱う型は以下の４種類があります。

`基本データ型`	`変数に利用するデータ`
`クラス型`	`基本データ型とその振る舞いを組合せて定義した型`
`配列型`	`基本データ型やクラスの連続した集合`
`インターフェース型`	`クラスの持つ振る舞いを定義`

・クラス型、配列型、インターフェース型をまとめて参照型と呼びます。

基本データ型

種類	型	サイズ	範囲
整数型	byte	8 bit	-128　～　127
	short	16 bit	-32,768 ～ 32,767
	int	32 bit	-2,147,483,648 ～ 2,147,483,647
	long	64bit	-9,223,372,036,854,775,808 ～ 9,223,372,036,854,775,807
浮動小数点型	float	16 bit	±3.40282347E+38 ～ ±1.40239846E-45
浮動小数点型	double	64 bit	±1.79769313486231570E+308 ～ ±4.94065645841246544E-324
文字型	char	16 bit	0 ～ 65535
ブール型	boolean	-	true　または　false

整数型、浮動小数点型ともに符号付として扱われます。
整数型は、基本的にint型として使われ、末尾にlまたはLをつけてlong型を表します。
浮動小数点型の末尾にe,Eを付加すると符号付10進法、f,Fはfloat型、d,DはDouble型として扱います。
文字型はUnicodeを利用するため、16ビットの符号なし整数となり、演算が可能です。
文字型変数は、次のように宣言と同時に初期値を設定できます。

char a="J"

浮動小数点型では、計算結果が範囲を超えるとInfで示されます。
ブール型は、次のように関係演算子による結果として真偽を表わします。

b=(x==y);

配列型

配列は，配列名，配列要素の型，配列の次元数を指定して宣言します。

int a[][]; 
          // aという名の配列は，int型の要素からなり，2次元配列である
int [][] a;
          // この書式も可

配列は，配列オブジェクトをnewで生成して代入することで使用可能になります

配列の添え字は0から始まることに注意してください。

 a = new int[2][3];      
    // a[0][0], a[0][1], a[0][2], a[1][0], a[1][1], a[1][2] が使用可能

参照型の配列では，さらに各要素に対して，オブジェクトの中身(newで生成した新規オブジェクト等)の代入が必要です。

SomeClass [] a;
     a = new SomeClass[10];
     for (int i = 0; i < a.length(); i++) {
            a[i] = new SomeClass();
    }

      // 上の3行は下のように書くのと同じである
       a[0] = new SomeClass();
       a[1] = new SomeClass();
                  :
       a[9] = new SomeClass();

上記の例のように，配列のサイズはlength()メソッドで取得できます。

new でサイズを設定した配列の内容は，次のように初期化されます。

        数値型          0
        文字型          \u0000
        ブール型        false
        参照型          null

オブジェクト型

オブジェクトは、クラス定義によって記述します。
オブジェクトの構造は内部変数によって、また機能はメソッドで規定します。

オブジェクトについては第４週で勉強しましたので、そちらも参照してください。

文字列

文字列はString型を使います。
これは基本データ型でなく、Stringクラスです。
””で囲まれた文字列は、String型として扱われます。
+演算子によって文字列を連結することができます。
【注意】
文字列は、順序をもって並べられた複数の文字を、その順序のままの全要素と文字の数によって表すオブジェクトですが、文字の配列は文字がたくさん集まっているだけで、本質的には並んでいる必要もないし、配列の大きさが要素数を表しているわけでもありません。当然、文字列と文字の配列とは可換ではありません。たとえば、配列の場合、
のようなことが出来ます。これは文字の配列なので、各要素間に本質的な順序性や関連がないことを表しています。

演算子

算術演算子

記号	意味	例
+	加算	a=b+c;
-	減算	a=b-c;
*	乗算	a=b*c;
/	徐算	a=b/c;
%	剰余	a=b%c;

整数計算で、longの項目があれば結果はlongになり、それ以外はすべてintになります。
＋＋で増分演算（＋１）、－－で減分演算（－１）ができます。

論理演算子

記号	意味	例
&	AND（論理積）演算	a=b&c;
\|	OR（論理和）演算	a=b\|c;
^	XOR（排他的論理和）演算	a=b^c;
<<	左シフト	a=b<<c;
>>	右シフト	a=b>>c;
>>>	右シフト０埋め	a=b>>>c;
~	ビット反転	a=~b;

AND演算子（&）、XOR演算子(^)、OR演算子(|)は『ビット演算子』といいます。
- AND（論理積）演算は、左項と右項がいずれもtrueのときのみ、trueとなる。
- OR（論理和）演算は、左項と右項のどちらかがtrueのとき、trueとなる。
- XOR（排他的論理和）演算は、左項と右項の真偽値が異なるとき、trueとなる。

例えば「&」はビット単位の論理積を表します。


例えば、
         5 &  3 は 1 に
        13 & 10 は 8 になります。

ビットで表現すると理解しやすいので、以下に示します。
        10進    ビット(２進)
         5      0101
         3      0011
         5&3    0001 → 1
        ５と３の両方とも１の所だけ１になります。

        13      1101
        10      1010
        13&10   1000 → 8
        １３と１０の両方とも１の所だけ１になります。

b<<c、b>>c、b>>>cをシフト演算子と呼びます。
- b<<cのとき、bをcビットだけ左にシフトする。
- b>>cのとき、bをcビットだけ右にシフトする。（符号ビットは保持）
- b>>>cのとき、bをcビットだけ右にシフトする。（符号ビットもシフト）

代入演算子

記号	意味	例（この中の式と同じ）
+=	和を代入	a+=b; (a=a+b;)
-=	差を代入	a-=b; (a=a-b;)
*=	積を代入	a=b; (a=ab;)
/=	商を代入	a/=b; (a=a/b;)
%=	剰余を代入	a%=b; (a=a%b;)
&=	ANDを代入	a&=b; (a=a&b;)
\|=	ORを代入	a\|=b; (a=a\|b;)
^=	XORを代入	a^=b; (a=a^b;)
<<=	左シフトの後代入	a<<=b; (a=a<<b;)
>>=	右シフトの後代入	a>>=b; (a=a>>b;)
>>>=	右シフト０埋めの後代入	a>>>=b; (a=a>>>b;)

増分や減分演算を単項演算でも代入演算でも記述できますが、単項演算は高速です。

X++は、X+=1や、X=X+1と同じです。
X--は、X-=1や、X=X-1と同じです。

関係演算子

記号	意味	例
<	左項<右項のときtrue	(a<b)
<=	左項≦右項のときtrue	(a<=b)
>	左項>右項のときtrue	(a>b)
>=	左項≧右項のときtrue	(a>=b)
==	等しいときtrue	(a==b)
!=	異なるときtrue	(a!=b)
&&	論理積をとる	((a>b)&&(c<d)
\|\|	論理和をとる	((a>b)\|\|(c<d))

<、>、<=、>=は比較演算子といい、両辺は数値型の式でないといけません。
==、!=は等値演算子といい、右辺と左辺の値を比較します。
&&と||は『ビット単位の論理演算子』といいます。
- 論理積演算子&&は、左項と右項がいずれもtrueのときのみ、trueとなります。
- 論理和演算子||は、左項と右項のどちらかがtrueのとき、trueとなります。

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